赤ちゃんと鑑賞

第1回ブログは「赤ちゃんと鑑賞」についてです。

こんにちは、赤ちゃんからのアートフレンドシップ協会 代表理事の冨田めぐみです。
第1回ブログは「赤ちゃんと鑑賞」についてです。


赤ちゃんが美術作品を鑑賞する、なんて「ホントかなー??」と思う方が大半と思います。もちろん作品を「芸術である!」と認識しているとは言えません。ですから作品以外にも、周りの人、照明、自分の影、天井など様々なものに興味を持ちます。しかし!赤ちゃんたちはそれぞれ、作品への好みがはっきりしています。

 

興味を持つ作品への態度が明らかに違うのです。それは親御さんが一番、肌で感じ取られます。「意外と見ていてビックリした」「気持ちを伝えてくれているのがわかって嬉しかった」といったご感想の数々。さらに大人が「赤ちゃんはこれを好むだろう」と予想する作品ではない、「え、これ!?」という作品を見入ることも。好きなのか不思議に思っているのか、そのあたりはまだ定かでないのですが、少なくとも嫌い、興味ない、目に入らない様子とは、はっきり区別できます。

鑑賞に参加される親御さんは、美術愛好家ではなく大半がむしろ美術に縁遠かった方々。「子どもの為に」と美術館へ初めて来たという方も少なくありません。

 

私が乳幼児の鑑賞会を始めたのは、2012年5月の茅ヶ崎市美術館「響きあう女性美術家の世界観」展でした。ある日、学芸員さんから「女性の作家さん中心の展覧会なので何か赤ちゃん向けにできることはないでしょうか?」とご相談を受けたことがきっかけでした。
私は1992年から幼児〜のワークショップを、さらに子育て世情を鑑みて2003年から乳幼児に特化したワークショップも行ってきました。その経験から「赤ちゃんも美術作品を見る」「鑑賞の場で親子コミュニケーションが生まれたら、家族にとって素敵だな」と考えていました。そこで学芸員さんからのご相談に、「乳幼児の鑑賞会をやりたいんですけれど・・・」とお話ししたところ、「いいですね、それ!」と開催が決まったというわけです。

 

以来、様々な展覧会で小さい子たちとの家族鑑賞会を開催しています。(開催記録はHP「鑑賞会」をご覧ください!)
「次は浮世絵です」「今回は魯山人です」などオーダーを頂く度に、自分でも「小さい子たちは興味を持つかなぁ、チャレンジングだな・・」とドキドキしながら開催してきました。しかしそのドキドキはいつも安堵と喜びに変わります。鑑賞会をする度に学芸員さん方と「おお、これを見ますか!」「なるほどこれですね」など本当に楽しく小さい子たちの様子に触れてきました。

 

初回ブログ、ちょっと長くなりました。
おいおい鑑賞会のエピソードなど、お伝えしたいと思います。
また、小さい子たちと鑑賞するときは、いろいろ注意が必要です。作品を保護し、周りの来場者さんに迷惑にならないようにすることが、とてもとても大切です。

そのための方策・・子どもが自分でマナーを守りたくなる働きかけや「もっと見て伝えたい」と思うようになるやり取りなどを、たくさんの方に知って頂いて「美術と家族の幸せな出会い」を作りたいと思います。


どうぞよろしくお願いいたします!