「おともだち通信2015夏号」その2

・小学生の鑑賞
・3〜4才頃の鑑賞スタイル “みつけ遊び”

●小学生の鑑賞
当協会オリジナルの「鑑賞ブックレット」を作るワークショップも含めた鑑賞会を実施しました。
小学生、はりきりますね〜!
展示室でも、集中して書き留めていました。
協会キャラのイラストを入れたり、自分でもページをデザインするのも楽しそうでした。
その後、家族で別な展覧会に足を運び、ブックレットに追加記載されたご家族も。
すてきです〜ありがとうございます!作った者の主旨を理解してくださって本当に嬉しい。
よーし!「アートと家族の幸せな出会い作り」これからもがんばるぞー!!


●3〜4才頃の鑑賞スタイル “みつけ遊び”
次は【3才0ヶ月みっつちゃん、はっちさん(丹阿弥丹波子銅版画展)】からの鑑賞メッセージです。
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"展示室に入って最初、抱っこして絵を見せるとまた抱っこしてーと頼んできました。絵に興味を持ってくれたみたい。
お花の絵を見せると、お花落ちてるぅっと花びらが落ちてることを教えてくれました。隣の絵も花びらが落ちてることに気づき、こっちもお花落ちてる!あっこっちも!
まさか子供が花びらに注目するなんて!子供って面白いな〜私だったら花瓶に飾られた花に注目してしまって、娘が教えてくれなかったらなんとなくしか観なかったかも。
帰りにまた野菜を観に行ったら、カイワレは辛いんだよと教えたのを覚えてたみたいで、カイワレを食べるマネをしてから〜いと言ったり、私にお野菜を食べさせてくれたり、冷蔵庫の中にありそうな身近な野菜達だったのでネギだーとかお豆だーとかとっても反応が良かったので娘とのやりとりを楽しむことができました。黒の中にふわっと白く浮かび上がるシックな絵でしたが、娘はそのままを受け入れたみたいでした。娘には色が見えたのかも…?これ何色?って聞いてみればよかった〜!
次、色のある絵を見に行ったらどんな反応をするのかなと楽しみです。"
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☆2012年から2014年にかけて行った調査(冨田実施鑑賞会にご参加約500組の親子対象)でも、3〜4才頃になると鑑賞で“みつけ遊び”をしていることがわかりました。
 “みつけ遊び”には2つの方向性があります。1つは、みっつちゃんみたいに自分から「テーマ」を見つける形。大人が「えー、よく見つけたね」という細かなものに注目したり、子どもの視点が面白い。
2つめは、あまり子どもが鑑賞に興味を持てない時に大人がサジェストする形。「○○探そうよ」の声かけをきっかけに猛然と鑑賞する子もいます。
一度見始めると「次は□□を見つける!」と自分でテーマを設定し出す。そうなったら子どもは「あーおもしろかった!」と、鑑賞を自分のものとして帰ります。
美術館で子ども向けの鑑賞ツールに “みつけ遊び”の要素が盛り込まれていることが多いですよね。「子どもの習性の理にかなったツールだなぁ」とつくづく思います。

それと、はっちさんのメッセージにすごく大切なことを見つけました。「娘が教えてくれなかったらなんとなくしか観なかったかも」の一言。子どもと鑑賞すると、異なる視点をもらったり観る感度が上がったり、大人にも得るものがいっぱい。やはりいろんな方に子どもと鑑賞してほしいなぁと思います。

(文・NPO法人赤ちゃんからのアートフレンドシップ協会 代表理事 冨田めぐみ)